デフリンピックが2025年に東京で開催!

聴覚障がいのあるアスリートの代表が集結する国際スポーツ大会「デフリンピック」は、4年に一度行われ、夏季と冬季に開催されています。今年9月国際ろう者スポーツ委員会の総会で、2025年夏季大会の開催地に東京が選ばれ、喜びともに期待が高まります。1924年に第1回国際ろう者競技大会がフランス・パリ開催されて以来、1世紀を迎える記念大会となります。

デフリンピックとパラリンピック

「えっパラリンピックがあるじゃない?」

パラリンピックに聴覚障害者は参加していません。その理由は、設立の契機と競技者のコミュニケーション方法の違いにあるようです。

パラリンピックは、戦争で脊椎を損傷した軍人のリハビリとして、イギリスの病院で行われたのが始まったのに対して、デフリンピックはろう者仲間での記録を競う形で始まっています

また、パラリンピックのコミュニケーションは、オリンピックと同様であるのに対して、デフリンピックでは、コミュニケーション全てが国際手話によって行われ、競技でもスタートの合図を音や審判の声ではなく、ランプや旗を使うなど工夫がされています。

1989年国際パラリンピック委員会発足当時、国際ろう者スポーツ委員会も加盟していましたが、デフリンピックの独創性を追求するために1995年に組織を離れました。そのために、パラリンピックにろう者が参加できない状況が続いています。

デフリンピックは、デフ(Deaf)は、英語で「耳が聞こえない」という意味で、国際的な「ろう者のためのオリンピック」です。

デフリンピック東京開催の特徴

今回の東京開催の特徴の一つは、1964年や昨年の東京五輪・パラリンピックで使用した施設を活用する「オリンピック・パラリンピックのレガシーの活用と更なる飛躍」を掲げていることです。「身の丈に合った手作りの大会」を目指していて、心から応援したくなる方針だなと個人的に思っています。

残念ながら知名度が低く、パラリンピックが97.9%に対してデフリンピックは16.3%(2021日本財団調査)に留まっています。もっと応援する人が増えてほしいなと思います。 デフリンピックが行われることで、聞こえない人への理解共感が深まり、聞こえない人にとって、今よりももっと暮らしやすい社会になっていくことが望めます。デフリンピックは、参加者が国際手話によるコミュニケーションで友好を深められるところに大きな特徴があり、国際手話に興味を持ち、手話で話せる人が増えることも期待できますね。

概要(予定)

日程:2025年11月15日(土)~11月26日(水) 12日間

競技開催地:東京都、静岡県と福島県の計3都県

競技種目:陸上・バドミントン・バスケットボール・ビーチバレーボール・ボウリング・自転車・サッカー・ゴルフ・ハンドボール・柔道・空手・マウンテンバイク・オリエンテーリング・射撃・水泳・卓球・テコンドー・テニス・バレーボール・レスリング(フリースタイル、グレコローマン) (サムスン2017デフリンピックの種目)

最後に

最後に、デフリンピックのサイトに掲載されたキャッチコピーが素敵なのでご紹介します。

オリンピックは平和を守り、パラリンピックは勇気を生み、デフリンピックは、夢を育む

2025年が楽しみです。私ができる応援をしていきたいと思います。

デフリンピックサイト https://www.jfd.or.jp/sc/deaflympics/about/

全日本ろうあ連盟スポーツ委員会 https://www.jfd.or.jp/sc/