人生後半の暮らしを考えるとき、私たちは「何歳まで生きるか」という寿命に目を向けがちです。 しかし、大切なのは寿命の長さだけではありません。 健康で自分らしく過ごせる時間はどのくらいあるのか。 仕事を終えたあと、どれくらいの自由時間があるのか。 そして、その時間を過ごすために、どのくらいのお金が必要になるのか。 まずは、寿命と健康寿命の差、定年後の暮らしに必要なお金と自由時間を、数字で見ていきましょう。
健康寿命と定年後の時間から考えるこれからの暮らし
厚生労働省・令和4年の調査では、平均寿命と健康寿命の差は、男性で約9年、女性で約12年です。人生後半には、元気に自分らしく過ごせる時間だけでなく、家族や周囲の手を借りたり、医療や介護などの支援が必要になったりする時間もあります。
また、定年後に夫婦2人で過ごす自由時間は、約8万時間から10万時間にもなるといわれます。その時間を、趣味や学び、家族との時間、地域とのつながりなどにどう使いたいのか。元気なときだけでなく、少し人の手を借りるようになったときの暮らし方も含め、これからの時間とお金の使い方を考えておくことが大切です。
寿命と、支援が必要になる期間
| 男性 | 女性 | |
|---|---|---|
| 健康寿命(R4) | 72.57歳 | 75.45歳 |
| 平均寿命(R7) | 81.35歳 | 87.33歳 |
| 医療・介護が必要になりやすい期間 | 約8.8年 | 約11.9年 |
注:健康寿命=健康上の問題で日常生活が制限されずに過ごせる期間(厚生労働省・令和4年値/2022年)。
注:平均寿命=0歳の平均余命(厚生労働省「令和7年簡易生命表」/2025年)。
注:必要になりやすい期間=平均寿命と健康寿命の差。
年金と、毎月の暮らしのお金
65歳以上の無職世帯の、1か月あたりの収支のモデルです。
| 夫婦のみの無職世帯 | 単身無職世帯 | |
|---|---|---|
| 実収入 | 約 25.4 万円 | 約 13.1 万円 |
| (うち社会保障給付) | (約 22.9 万円) | (約 12.0 万円) |
| 消費支出 | 約 26.4 万円 | 約 14.8 万円 |
| 非消費支出(税金・社会保険料) | 約 3.2 万円 | 約 1.2 万円 |
| 毎月の不足額の目安 | 約 4.2 万円 | 約 3.0 万円 |
毎月の不足分は、貯蓄などから取り崩すことになります。たとえば夫婦世帯で毎月約4.2万円の不足が20年つづくと、約1,000万円になります。実際の金額は、住まいや健康状態、暮らし方によって大きく変わります。
※総務省統計局「家計調査報告(家計収支編)2025年(令和7年)平均結果の概要」より。65歳以上の夫婦のみの無職世帯および高齢単身無職世帯の1か月平均。
※金額は表示のため四捨五入しています。年金額は世帯により異なります。
感情と勘定をすり合わせる
人生後半のライフプランでは、数字だけを見ても、気持ちだけを考えても、十分ではありません。
今の家計やこれからの収入を見える化し、何にお金を使いたいのか、どんな準備が必要なのかを考えていく。 同時に、自分や家族がどのような暮らしを望んでいるのか、何を大切にしたいのかも見つめていきます。
大切なのは、ただ節約することでも、お金をできるだけ多く残すことでもありません。
ある程度元気に過ごせる時間、少し人の手を借りながら暮らす時間など、これからの場面を想定し、自分や家族にとって納得できる暮らし方を考えておくことです。 そのために、今から少しずつ準備を始めてみませんか。
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