【就職氷河期世代③】「このままでいいのか」と思う50代へ
就職氷河期世代の50代が、それぞれの道から人生後半を選び直すための全3回のシリーズです。最終回は、大きな不満はないけれど、このままでいいのか分からない人へ。

何も起きていないから、見えにくい
大きな挫折があったわけではない。仕事も家庭も、それなりに回っている。周りと比べて、特別に困っているわけでもない。
それなのに、ふとした瞬間に「このままでいいのかな」と思う。そんな50代は、実は少なくありません。
就職氷河期と呼ばれた時代を、なんとか折り合いをつけながら歩いてきた。強い悔しさを抱えるでもなく、かといって満足しているわけでもない。だからこそ、自分の気持ちに名前をつけにくいのです。
漠然とした不安の正体は「分からない」こと
相談の場で多くの方と向き合ってきて感じるのは、漠然とした不安の正体は、たいてい「分からない」ことだということです。
老後にいくら必要なのか分からない。年金がいくらもらえるのか分からない。いつまで働けばいいのか分からない。そして、自分がこの先どうしたいのかも、まだ言葉になっていない。
分からないものは、大きく見えます。逆に言えば、一つずつ「分かる」に変えていけば、不安は少しずつ小さくなっていきます。
平凡に暮らすにも、お金は必要
「特別な夢はない。平凡に暮らせればいい」。そうおっしゃる方もいます。でも、平凡に暮らすにも、お金は要ります。
あなたにとっての「平凡な暮らし」は、毎月いくらで、いつまで続けたいものでしょうか。その答えを出すには、次のことを同時に確かめていく必要があります。
- 家計を見える形にする:毎月いくら入り、何に使い、どれだけ残っているか
- 年金の見込みを知る:自分はいくら受け取れそうか、いつから受け取るか
- 働く期間を考える:いつまで、どのくらい働くか
- 制度を活用する:NISAやiDeCoなど、今から使える制度を知る
- 備えを確かめる:万一のとき、暮らしを守る保障は足りているか
お金は、後から考えたのでは間に合いません。不安がまだ漠然としているうちに整えておくことが、人生後半の選択肢を広げます。
関連コラム
「何から手をつければいいか分からない」ときの最初の一歩は、こちらのコラムで紹介しています。無料でダウンロードできる「お金の準備シート」もご用意しています。
50代のお金の準備|最初の一歩は、悩みのタイプで決まる
「夢がない」と思っている人へ
夢や希望と聞くと、大きなものを思い浮かべるかもしれません。でも、もっと小さくていいのです。年に一度は旅行に行きたい。ずっと気になっていた習い事を始めたい。家族とゆっくり過ごす時間を増やしたい。
「できるかもしれない」「やってみたい」と思えることが一つ見つかるだけで、お金を整える意味が生まれます。そして、お金が整うと、その小さな希望に現実味が出てきます。
おわりに:不安を「問い」に変えてみる
漠然とした不安は、放っておくと漠然としたまま残り続けます。でも、問いに変えることはできます。
「この先、続けたいこと、始めてみたいことを一つ挙げるとしたら、何ですか」
紙に一行、書いてみてください。そしてその隣に、「それには、いくら必要で、いつまでに準備すればいいだろう」と。
大きな不満がない今だからこそ、落ち着いて選び直すことができます。一人で考えるのが難しいときは、一緒に考える場があることも、思い出していただけたらと思います。
シリーズ「就職氷河期世代の選び直し」
- 悔しさを抱えてきた50代へ
- 「勝ち組」と言われた50代へ
- 「このままでいいのか」と思う50代へ(この記事)
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この記事を書いた人
京極 佐和野(きょうごく さわの)
ライフバランスメンター/FPオフィス ミラボ(福岡・筑紫野)
相談業務に30年以上従事。CFP®(1級FP技能士)・国家資格キャリアコンサルタント。金融商品の販売を行わない立場で、資産形成・運用・年金といった「お金の設計」を土台に、働き方や生き方全体の調和を整える「ライフバランスメンター」として活動。公的就労支援や学び直しの現場経験も活かし、50代からの持続可能な人生設計に伴走しています。
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